先生に渡された特別メニューを見て、愕然とした。
「これ、やるんですか?」
「ああ、もちろんだろ。」
もちろんって、先生……。
800m10本。
設定タイム2分15秒。
レスト・200mジョグ。
陸上を知らない人のために一応説明しておくと、これは『死』を表すほどキツイメニュー。
だいたい、2分15秒っていう設定自体どうにかしてる。
まあ、インターハイ予選では2分07秒で走ったよ?
これまでのベスト記録を5秒も更新したけど、普段から2分10秒台で走ることすら難しいのに、それを自信たっぷりで今からこれやれって。どう頑張っても無理あるよ。
普段はみんなと同じメニューだからさほどきつくはないけれど、本当に前川先生の特別メニューは半端ないし力抜けないし………
「今日も死んだわ〜!!」
メニュー表片手に喚くわたしを、部員だけでなく先生まで笑っていた。
「ま、俺がタイム測るから、頑張れよ。」
「そりゃ鬼畜ですね。」
「とりあえず、スパイク履いてこい。」
「はーい。」
普段は優しくて穏やかで周りの生徒から本当に慕われている最高の英語教師なのに……。
先生の視線を感じながら部室まで仕方なく走った。


