いちについて、




最近買ったランニングシューズに足を突っ込む。


鮮やかなオレンジ色にネオンカラーの黄緑色の靴紐がよく映える。


この靴、もともとはオレンジ色の靴紐が通っていた。


だけど、たまたま買った日が近かったため、泰知の水色のランシューに通っていた黄緑色の靴紐を交換したのだ。


あたし達は昔からそんなことをしていた。



泰知と昇馬はロードレース用のレーシングシューズの靴紐を交換している。

あたしと昇馬は大会用スパイクの靴紐を交換している。



三人が陸上で結ばれていることの、それは証明のようなものだ。



泰知と交換した靴紐を締めあげると、やっぱりやる気で溢れる。




「さーあ今日もやる気溢れてきた夕夏さんですけど、前川先生には勝てるかなぁ。」



「もう!菜々子さん!!」



先に靴紐を締め終わって部室の外に仁王立ちしていた菜々子さんが、あたしが立ち上がった瞬間にそんなことを言った。


もう、これだけ言われ続けたらやるしかないじゃん。


先生の特別メニューなんて耐えてやる!



そう思ってアップをこなして先生が来るのを待った。