「大丈夫なことなんて、何も無いだろ。」


マネージャーに携帯を返し、走り去っていくその後ろ姿を見て、思わず独り言が零れた。



なあ、泰知。


元気か?


お前か?夕夏にこんなことしたの。


あいつのどこに非があった。


あいつのどこに神様の気に食わないようなところがあった。


完璧だったじゃないか。


ここまで、あいつは沢山悩んで努力してまた戻ってきてるのに。


そんなに神様ってのは夕夏に試練を与えたいものなのか?