それは、ごく自然に俺の頬を伝い落ちていった。
「寂しいなら言って。辛いなら言って。苦しいなら言って。私たち、幼なじみだよ?私だって辛いけど、忘れたフリして平気そうな顔してほんとは自分でも気づいてないうちに苦しんでいる昇馬を見るのは嫌だよ。」
その言葉のすぐあとに、俺の視界は遮られた。
目の前が真っ暗になり、それが夕夏に抱きしめられているからだと気づくのには少し時間がかかった。
「無理しないで。みんな、分かってくれてるから。」
夕夏の言葉の一つ一つが、俺の乾いた心に潤いを与えてくれているようで、俺は夕夏を離したくなくなった。
どうしてだろう。
涙が後から後から溢れ出てくる。
止められない。


