サブトラックでアップを取っていたら、朝一番に1500mを走り終えた松田が俺のところに走ってきた。
「朗報だぜ、昇馬。」
「どうせ夕夏だろ?」
「あったり!!新記録で優勝!!やっぱすげーわ。」
松田は俺の目の前でその瞳をキラキラ輝かせながら飛び跳ねている。
俺がもし、松田と別の高校だったら小学生かと思いそう。
それにしても、夕夏はエグい。
走り始めて4ヶ月ちょっとで去年の記録をあっさりと超えてしまうのだ。
泰知が死んでからしばらくの間、抜け殻のようだった夕夏と同一人物だとは思えないくらいだ。
「まあ、あとは昨年大失敗致した部長さんに、頑張ってもらうしかないよな。」


