どうにかこうにか決勝までたどり着いた800だけど、それ以上の結果は出せなかった。
5位という順位が限界らしい。
それでも、表彰台に上って賞状を受け取るのに悪い気はしない。
明日はついに本命の種目だ。
一年前にハードルで跳び違えて、改修工事後のトラックに派手に転んだこと以上に痛いことは今までないというくらいに痛かった。
右足の外側は綺麗に擦れて、痛さで立ち上がることが出来なかったくらいだ。
あの時は久しぶりに前川先生に怒られなかった。
ただ、救護室に青ざめた顔して入ってきたっけ。
捻挫じゃなくて良かったと、その時の先生は心から安堵の表情をしていたように思う。
あれは地方予選の時だった気がする。
おかげでしばらくの間、泰知や夕夏にひどく笑いものにされていたのを覚えている。
見てろよ泰知。
俺、今年こそはちゃんとインハイ決めてやるから。


