「そういう凪斗さんこそ、どうなんですか?」
俺より5センチくらい背の高い凪斗さんを若干見上げるような形で見ると、待ってましたと言わんばかりに凪斗さんは頬を緩める。
「おれにはいるよ。」
自信満々にそう言われても、何を返していいかわからない。
「そうですか。」
「え、誰か気にならない?」
「まあ、通常の人間並に?」
疑問形に疑問形で返した俺に、凪斗さんは腹を抱えて笑い出す。
「二年お前と一緒にいるけど、こんな面白いと思ったのは初めてだわ。」
凪斗さんは零れてきたらしい涙を拭いながらそう言った。
「ほんとは話したくて仕方ないんでしょ?なら教えてくださいよ。」
そんな凪斗さんを無視していうと、ひとしきり笑ってから真面目な顔になった。
「お前の知っている人だ。」
「菜々子さん?」
「あぁ。」
「凪斗さんって、ドMなんですね、初めて知りました。」
さっきの仕返しとしてそう言ってやった。


