「今日、先帰っとけよ。俺、凪斗さんと帰るから。」
部室を出てきて、俺がいる流しの前まで来た夕夏が帰る?という顔をしてきたので、先に俺の予定を伝えた。
「わかった。じゃあ、帰ってるね。」
「ああ、変なのに襲われんなよ?」
冗談混じりに言ってみれば、うるさいと一言返されただけだった。
相変わらずだ、と大きく息をひとつ吐くと、後ろから肩を叩かれた。
それが凪斗さんだと気づくのに時間はそれほどかからなかった。
「お前らの関係は良好なのか?」
「それは、どういう意味上での?」
「こっち。」
振り返った凪斗さんは口角を上げ、右手の小指を立てる。
「俺らに、そんな関係は一切ないので。」
「そういう奴こそ一番に怪しいんだけどなぁ?」
そういう感情は一切ない。
俺も、夕夏もきっと思っていることは同じなのだ。
幼なじみ。
それだけが俺らを繋いでいることに間違いはない。
そして、これからも変わらない俺らの関係なのだから。


