いちについて、




翌朝目が覚めたのは、5時45分。


これから着替えて、夕夏の家に向かえばちょうどいい時間帯だった。


普段から、なにを着ようかというのはよく迷う。

シャツやトレーナー。

ランパンかロングタイツか。

アームは付けるか、アンダーシャツは着るか、ウィンドブレーカーは羽織るか。


小学生の頃から、私服は常に走るためのもの。


おかげで母さんにそろそろ大人になりなさいと、ダメージジーンズと白のニット、それから紺色のパーカーを今年の冬に買わされた。


でも俺は、やっぱり走る格好をしている方が、落ち着く。


結局選んだのは藍色のアンダーシャツの上に緑の薄手のウィンドブレーカー。


ロングタイツを履いた上にクォーターパンツという、よく切る組み合わせに黒の腕時計にした。


家を出る頃にはもうすでに太陽は顔を出していた。