いちについて、




地元の山仲中学校に入学したあたし達三人は、迷わず陸上部に入部を決めた。



「お前は、センゴの体だな。」



「センゴ??」



顧問があたしの体をまじまじと見てから、顎に手を当ててそう言った。


聞きなれない単語にあたしの頭の上でははてなマークが浮かぶ。




「ああ、1500mのことだよ。君たち三人はみんな、長距離の体つきをしているから、みんなどうだ。」



「泰知、どうする?」



あたしは自分ひとりで長距離を選ぶことは出来なかった。

昇馬はもともと長距離選手だったものの、あたしと泰知はずっと100mばかり走っていたのだ。



その他の距離がどんなものかを知らない。



「いんじゃね?三人で同じの出来るとか最高じゃん?」



流されやすいあたしは、それ以上考えることもなく、すんなり100mから1500mに種目を変えた。