残り200mを切った瞬間に、ロングスパートをかける。 光里、今日は君に負けるわけにはいかないんだ。 表彰台のてっぺんに上り詰め、泰知を見返さなければいけないのだ。 最後の直線に入って、あたしは勝利を確信した。 聞こえなくなった息遣い。 一つしかない影。 望むものはすべて手に入れた。 あとは記録だけ。 手を伸ばすかのように、あたしは胸を張り、縋る思いでゴールに飛び込んだ。