二歳年下の妹とともに、陸上クラブの練習を見学に行ったその日にあたしは陸上クラブに参加届けを出してきた。 最初は慣れないメニューに毎日重たい足を引きずりながら学校へ通っていたけれど、慣れてくれば学校までの坂道も泰知と競走するくらいになった。 でも、あたしが陸上クラブに入った瞬間、あたしは泰知を越せなくなった。 いつだって泰知の背中を見て走るようになった。 それが悔しくて、小五の最初の大会で泰知にタイムで負けたあたしは昇馬の前で大泣きした。