いちについて、




「まず、陸上部の三年はみんな来るだろ?あと、俺のクラスの松田とか大石とか。数えたら30は行くなぁ。」



「自信持つ前に練習しないと、誰に越されるかわかんないでしょ。」




「うるっせって!じゃあ、賭けしようぜ?俺と。」



どうしてそんな話になるのか、わかりませんよ、泰知。




「どんな?」



「一位取れなかった方が一位取ったやつに奢り。」



「両方一位とれなかったら?」



「俺は確定だから。」



鼻高々に断言する泰知。




「その前にマッサージしな?怪我しないように。」



「やって、夕夏。」



「絶対やだ、部屋に戻る。」



腰掛けていたソファから立ち上がる。



「えー待てよ。」



ノロノロと付いてくる泰知を無視して出入口まで来ると、突然泰知に右腕を掴まれた。