「うん、なんでしょうか。」
「今年、山仲からインターハイ出る人数めっちゃ少ないらしいよ。」
「え、二人も出てるじゃん。」
山仲高校は地方大会では常連校だ。
毎年、少なくても10人は行く。
たしかに、今年は8人と少なかったかもしれないけれど、陸上インターハイなんて行けた年はめちゃくちゃ騒がれるのに、しかも二人なんて15年ぶりだと前川先生は言っていた。
「そうじゃなくて。」
泰知の言葉にあたしは首を傾げる。
「ほら他の、テニスとか柔道とか。総合で25人らしいよ。」
「あ〜、それは少ないかもね。」
35人は必ず全国大会へ出場するとして有名な山仲高校から今年は全種目合わせて25人しかインターハイ出場出来なかったという話はあたしも噂で耳にしていた。
他校の友達からも、そうなの?というラインがほとんど毎日のように来ていた。
「まあ、俺らの代で絶対40人は超えるけどな。」
「え〜、自信ありすぎでしょ!」
誇らしげの泰知の肩を軽く小突く。


