頭の中から一生懸命に當山せりかの存在を消す。
お前がいては、あたしはこの勝負で勝てない。
表彰台の一番上に立ち、泰知に自慢するにはお前がいてはならないのだ。
気分を変えるために、今日は珍しく高い位置でポニーテールにした。
邪魔そうに見えるといつも前川先生に指摘されはするけれど、これが一番勝負時に力が入る結び方だって事は前々から知っている。
こうしないわけが無いのだ。
「では、一レーンの方から付いてきてください。」
役員の指示に従い、荷物をまとめて歩き出す。
いい日にしてみせる。
泰知に近づきたいと思った陸上で、自分がこんなにも輝いているなんて面白くてたまらない。
今日はなぜか、体が軽いように感じる。


