「いいじゃん?あんまり気にしない方が。」
前日に決勝まで終わった楓はあたしの肩をポンポンと叩く。
「きっとインハイには行っちゃうんだから自信持ちなって。」
「え〜でもな〜。」
「夕夏、昨日は前川先生に散々怒られたんだから、しっかりしなよ。ほら、ストレッチするよ。」
昨日の前川先生の鬼の形相を思い出した。
珍しく怒鳴られて、泣きそうになったんだった。
「また言われる前に、ちゃんと結果出してきなよ?」
ストレッチが終わる時、楓はそう言いながらあたしの背中をバンと両手で叩く。
「いったいよ!容赦してよも〜!!!」
「ごめんごめん!ほら、行きなって。応援してるから。」
スパイクを手渡してくれてた楓は、昨日の負けを感じさせない煌びやかであった。
「ありがとう。頑張る。」
あたしはスパイクを受け取り、テントから出た。
あたしの気分とは真逆に、今日は素晴らしいくらいの快晴だった。


