校内で知名度がまあまあ高いあたしのせいで、當山せりかという名前も瞬く間に広がっていった。
帰宅部の生徒が、あたしとせりかの言い合いを見ていたのが原因のようだった。
『黒川夕夏に喧嘩を売った一年。』
そんな異名が、クラスの中ででも広まっていた。
「ねえ、実際のところどうなの?」
去年までは別のクラスだったからようやく顔と名前を覚えた、というような子に何度も同じ質問をされた。
「喧嘩ってわけではないけど、あたしは苦手かな。」
まさか、こんな事態を招くなんてあたしはこれっぽっちも考えていなかった。
先輩なのはあたしなわけだから、堂々と胸を張って部活に顔を出せばいいのに、日に日に足取りが重くなるのはあたしの方だった。
地方大会は、そんな絶不調の中、やって来た。


