「県や地方大会でトップに立つ人って、やっぱりそれなりのオーラがあるじゃないですか。見てすぐに、この人は強いなって感じるようなオーラが。」
「それが。なんて言いたいの?」
「夕夏さんにはそんなオーラ無いですよね。そのままなら、夕夏さんが卒業するまでに、あたしが越しちゃいますよ?」
「なっ………。」
突然の宣戦布告。
他校に同じ種目の友達がいないあたしは、このようなライバル視発言をされたことが無かった。
正直、その勢いと少々の生意気さにあたしは負けかけた。
「あたし、夕夏さんに勝つためだけにこの高校選んでいるんで。」
「そりゃどうも。でも、あんたになんかあたしは負けないよ。」
彼女のひとこと一言は、あたしの心にグサッと刺さり、どこかで火をつけた。
彼女の方はあたしの事を小学生の頃から知っているらしかった。
ただ、当のあたしが當山せりかという存在を知ったのは高校に彼女が入学してからだった。
彼女の成績は県大会準決勝レベル。
まだ、あたしには相当届かない。
なのに、彼女の必死に食らい付いてくる強さと、ちょっとした意地は、時々あたしを苛立たせた。


