気のせいだ、と自分に言い聞かせて、あたしは昇馬の隣に並ぶ。 「部活、今日はどうするの?」 「あれ、行ってなかったっけ?今日はオフだよ。」 「あ、そっか………。」 部活に顔を出さないあたしには、いつ休みなのかは全くわからない。 もう、走るのをやめてから二ヶ月が経つ。 相変わらず、校庭の端にある部室棟の前を通るのが怖い。 「陸上、したいけどな。」 誰もいない教室で嘆いてみても、誰にも伝わらない。 伝える必要も、なくて。