泰知からの最初で最後の手紙だって、最後にはお兄ちゃんに言われて封を切った。
『泰知の思いを知ることを怖がってんだったら、いつまで経っても陸上に対して曖昧な答えしか出せないんだろ。お前がまず先に受け止めなきゃなんねえことは、泰知の思いじゃねぇの?』
泰知の思い。
鈍感なあたしは、泰知のそんな思いに気づかなかった。
三人のちょうどいい関係が好きすぎて、これ以上ってものを望んでこなかったから。
彼氏だって、これまで一度も出来たことなかったし本気で作るつもりだって無かったから。
でも、泰知の手紙が、泰知の本当の重いが、泰知の陸上や駅伝に対する愛が、あたしを再び陸上の世界へと誘っていることだけは確かだった。
どうしたら、戻れるのだろうか。
普通に、いきなり部に顔出すことに何かしらの抵抗を覚えている。


