「でも、それ見るのに、俺はもう少し時間がかかるかと思ってたよ。」
昇馬はあたしの持っている手紙を指さして笑う。
座っていた、壊れかけの椅子がミシッと音を立てた。
「でもおかげで、陸上部に戻ってくるのが早まりそうで何よりだよ。」
「……うん。」
何も変えせる言葉が見つからず、少し笑顔を浮かべて昇馬を見た。
「あーその顔は、最後の一押しが足りないってやつか。そーだよなぁ。どうしよ。」
まるで全てを悟ったかのように、昇馬は空を見上げる。
昨日までは毎日のように積もらない雪が降り続いていたのに、今日は打って変わって快晴だった。
「どうすればいいのか……あたしもわからない。」
「ふっ。俺にだってわかんねーよ。周りのヤツらは一生懸命マラソンのために練習してんのに、俺はなに目指して走ってんのか分かんねえ。同じだよ。ゆっくり、前に進んでこうぜ。」
立ち上がってこちらを向いた昇馬の顔は、ココ最近で見た中で一番晴れ渡っているように見えた。
たぶん、そろそろ昇馬は受け入れられることが出来てみたいなんだ。
あたしは
どうなんだろう。


