「あいつも良くやるなぁ。」
昇馬はそう言いながら読み終わった手紙をたたんで封筒に入れる。
丁寧にしまってからそれをあたしへと手渡す。
「でもあたし、泰知の気持ちなんて全然気づかなかった……。」
「お前、すんげえ鈍感だからな。」
「まあ……。」
昇馬から手紙を受け取りながら考える。
あたし、本当に泰知の気持ちなんて分からなかった。
この手紙を初めて読んだ時は、泰知の気持ちに最後まで気づいてあげられなかった事への後悔で、陸上に行きづらくなった。
「で、陸上に戻ること、考え始めてるんだ?」
昇馬は両手に息を吐きかけて擦り合わせる。
こんな寒い中、屋上に呼び出したことに少しの罪悪感を持つ。
「ごめんね、寒い中呼び出して。」
「気にすんなって。どうせ課外が終わったって、明日からまたこの中走るんだし。」
今日、やっと長かった課外が最終日を迎えた。
おかげでクリスマスは終わってしまっているし、あと三日で新年を迎えることになる。
明日からは一応本格的な冬休みになるため、部活に参加出来ていないあたしは、昇馬に何のためらいもなく呼び出せる最後のチャンスだった。


