昇馬が、追いかけてきてあたしの隣に並ぶ音も、気配すらしなかった。
それが、昇馬のあたしへの気遣いだってことに、あたしはちゃんと気づいた。
12月の夜空はとても悲しくて、あたしの心をどこからか痛めつける。
吐き出した吐息は白く、誰も隣に並ばないひとりの暗闇の帰り道はなんとも言えない深い悲しみに覆われる。
「どうすればいいんだろうなぁ。」
呟いてみても答えはもちろん帰ってこない。
あたしはまだ、現実を受け入れられないみたいなんだ、泰知………。
あなたはどうして、この世からいなくなってしまったの。
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