「だけどねぇ」

おじいちゃんが、
急におどけた口調で、ポンと自分の頭をたたい
て言った。

「まさかミカに怖がられるなんてねぁ」

おばさんが、
ふっと泣き笑いのような顔をして言った。

「そんな物被って出てくるからよ」

その声には、さっきほどのとげはなくなっていた。