星也はあたしの腕を引っ張ったまま
ただただ無言で歩き続ける



着いた先はーーー



いつもの公園



あたしはとりあえずブランコに座ると
星也も隣のブランコに座った



「星也…ごめんね」



「べつに」



そこから2人の間には長い沈黙が流れる



「あのさ、新兄はお前のこと
本当に妹だと思ってたょ」



星也は沈黙を破る



「あたしも新一お兄ちゃんのこと
本当のお兄ちゃんと思ってた」



「ごめんな、辛い思いさせて…」



星也の言葉にあたしの瞳から
静かに涙が頬に伝った



でも泣いてはいけない



だって…



きっと…



あたしなんかより星也の方が辛いでしょ?




あたしは急いで涙を手で擦る



でもいくら拭っても溢れてくる涙



新一お兄ちゃんがいなくなってから
毎日のようにあたしは泣いていた



なのに、涙は枯れないんだね



「ううん…ごめんね。
星也の方が辛いのに」



「お前は一応女の子なんだから
泣いてもいいんだよ」


「新一お兄ちゃんどうして死んじゃったの?
もっともっと一緒にいたかった」



「うん」


「酷いよ…何で離れていくの…
新一お兄ちゃんが大好きなの
優しくていつも味方してくれて」



《にぃなは、いらない子なんかじゃないよ》



《にぃなが泣いてたら俺も悲しい》



《何かあったら言ってきな!
にぃなのお兄ちゃんだからさ!》



新一お兄ちゃんの言葉や表情が
鮮明に思い出される


「なのに…!どうして新一お兄ちゃんなの!
どうして死ななきゃいけないの!」



あたしは星也によって抱きしめられた