それは11月の半ばでとても寒い日だった



あたしは4年生になった



朝の登校は今までと変わらず
星也と新一お兄ちゃんと穂波ちゃんと
毎日一緒だった



「あー、寒いねー」


あたしは白い息を吐きながら
手の平を擦る



「お前、寒がりだなー、
冬は寒いもんなんだよ」



あたしが口癖のように毎日
言ってるから星也も呆れながら言う




「うるさい!寒いのは嫌いなの!
マフラー家に忘れてきたの最悪だよ」



かと言って家に取りに帰るのは
面倒くさい



「馬鹿じゃん!寒いの分かってんのに
何で忘れるんだよ」



星也は笑いながら言う



「馬鹿って言う方が馬鹿なんだよーだ!
だいたい何でそんな言い方するの?」



「馬鹿に馬鹿って言って
何が悪いんだよ!」



あたしたちのやりとりを
苦笑いしながら新一お兄ちゃんと
穂波ちゃんは見守る



「星也よりは賢いもん!」



「お前より俺の方が賢い!」




あたしと星也の間には火花が散る




「はぃはぃ、わかったから!」



新一お兄ちゃんが割って入ってくる



あたしの首に暖かい何かが巻かれる



「???」