いつもお兄ちゃんは私を支えてくれる




お兄ちゃんが居てくれたから私はここまで耐えてこれたんだと思う




でも、




私の記憶はこの日で途切れる事になる









私は中学2年になって初めて化粧道具を買った



お兄ちゃんのお金で買った





それの何が悪いのかわからない





でも悪魔の声が私の耳を痛くさせる



「ちょっと来那??
来てもらえる?」


いつも地べたに座ってる私をお母さんは呼んだ


今は弟も妹も、お兄ちゃんもお父さんもいない




「これ、なに?」




お母さんは私の化粧道具を見せてきた




「何って、化粧道具だよ?」



「これ私のでしょ??」



「え?違うよ
お兄ちゃんがお金くれて買ってきたんだよ?」



「嘘つくな!私のが最近無くなったんだけど!
あんたが犯人だったんだ」



「違うってば!」





パチン!!




久々にビンタをくらう



「あんたが化粧なんて調子乗ってんじゃないよ!」



痛い、




でも




昔みたいな悲しい感情は無くて




怒りが込み上げてきた




「痛いってば!!」



パチン!!




私もやり返してビンタをする




もう泣かない




もう負けたくない




こんな生活は嫌だ




涙を堪えて必死に抵抗したビンタだった




初めて人をビンタしたけど



自分もこんなに痛いならもう2度とやりたくない





「ふざけんじゃねーよ!!!」




お母さんは私を突き飛ばした



ガンッ!と壁に頭を思い切り打つ




その衝撃で私の意識は朦朧とする




そんな時




お母さんは包丁を持ってきて





「殺されたいの?」




無表情のまま私に包丁を突きつけた




何考えてるのこの人…




私は恐怖と頭を打った衝撃で動けない




「今まで生かしてあげたのに
死にたいんだね」



「……やだ」




私は近くにあった雑誌を包丁目掛けて投げると




お母さんは包丁を落として



お母さんの足に刺さった



「いった!!!」



お母さんの叫び声が響く