来那は俺の手を握る
心なしか来那は少し手汗かいてるような気がした
けど気にせずに家に向かう
しばらくは会話もないまま歩いていた
まあ来那は喋る方じゃないしそれが心地よかったりする
「着いたよ」
来那の家に着く
団地に住んでるらしい
初めて行くなー
そういえばお父さんとお母さんと暮らしてるかどうかも内緒にされてた
まあ誰と住んでても生きてられるならいいと思ってたしな
階段を登る
二階に上がったところが来那の家だ
「入って」
「あ、来那、ちょっと待ってくれるか?」
「ん?」
俺は来那の家に入る前に知っておかないといけない
「お母さんとお父さんは?」
挨拶もしたいからそれだけは知りたかった
しかしそんな俺の気持ちを後方に来那は言う
「両親とは暮らしてないよ」