駅に着くと早速来那が居た
「おはよー」
来那は少し微笑んで俺に言う
昨日のことをどう思ってるのかはわからない
ただ俺を見て笑うくらいだからな
また忘れてんじゃねーか?
どうせ忘れるって言ってたし
なんて吹っ切れていた
「おはよー」
俺も挨拶を返す
「りつ、昨日ごめんね」
と、来那が謝る
「なんで?来那が謝ることではないよ
俺も色々無防備だったし
ただ、勘違いしてほしくないのは
酔ってても何かするわけじゃないからね」
まあ一応彼女持ちだし
そういうところはちゃんとしていたいから
てか逆に来那にされたら嫌なことは俺はしない
来那は可愛いしぼけーっとしてるから心配だけど
「そっか、めっちゃ不安だった」
来那の“不安”という言葉にどうしても弱い
歩き方とか喋り方も弱々しく
それでいて不安とか言われると
やっぱ来那を守りたいって何度も思えてしまう
俺が居ないとこの子は生きていけないと思える
そんな風に思えることは生涯ないだろうな