「今付けます!」




と言って店長は急いでカバーを付け始める




「大変申し訳ございませんでした」


「もういいわよ!」



と言って40代のおばちゃんは怒って帰ってしまう





「来那大丈夫か?」


「……うん、ごめん」




「カバーの付け方教えたよな?
その前もちゃんと出来てたし
どうしたんだよ?」



俺は優しく来那に問いかける



来那は涙目になりながら



「………ちょっとど忘れしちゃった
ごめんなさい!」



来那は店長に謝る




「いいんだよ、しょうがない
また復習を兼ねて吉見くんに教えてもらって?」




と店長も優しく言う




俺も頷く




「じゃあやろうか」




と言って来那とまたカバーの付け方を教えた






俺が教えてる最中の事



「こうするわけよ
おっけー?」



「……」



来那は返事もしないままだった



俺はそういうところが嫌だった




「来那ってさ、なんでそんな冷たいの?」



俺がそう言うと来那は久しぶりに俺の目を見てくれた





「俺が話してるのに無視って何?
話す気ないの?」


少し俺は強めに言った



来那はこのままじゃダメだと思ったから




「なんで?」


来那は華奢な声で俺に聞く



「話しても素っ気ないじゃん
それだとただの感じ悪い人だぞ?
俺は来那にはそういう人になって欲しくない」




そう、本間みたいなやつには






「なんでそういう事言うの?」



「来那に変わって欲しいから」




俺は素直な気持ちを正直に言った