「………覚えてないのか?」
「……今日、私何してた…?」
俺は心臓が止まりそうだった
いつも1ヶ月前のことを説明することはあっても
その日のことを説明したことは一度もない
今日のことを覚えてないなんてことは一度もなかったから
「来那?本当に覚えてないのか?
昨日のことは?その前のことは?」
「……その前?
海に行ってりつと思い出作ってた」
来那は覚えていてくれた
また俺は安心してしまう
もしかしたら今日だけ覚えてないのかもしれない
しかし麻生先生は
「来那ちゃん?今後何か異変があったらすぐに連絡してね」
怖い顔をして来那に言う
なんでそんな怖い顔するんだよ
先生がそんな顔したら俺も不安になるだろ
でもそんなことは聞けなかった
その理由を聞くと怖くなりそうだから
「とりあえず今日は帰っても大丈夫だから
また同じこと言うけど何かあったらすぐに連絡してね」
麻生先生は釘をさすように来那に言う
来那も疲れてる様子だったので今日は帰るとするか
それにしても
なんで来那は今日の出来事を忘れてしまったんだろう
よくわからないが嫌な予感がするのは間違いなかった
でも気にしたくなかった
俺が気にして来那のテンション下げちゃダメだと思った
だから俺は来那を家に送る時も無理して笑って誤魔化すように明るく振る舞った



