来那は自転車を押して俺の歩くペースに合わせてくれる




「昨日さ、お兄ちゃんが作ったスパゲティ食べたのね
そしたらそれがめっちゃ美味しくてね
たらこパスタってファミレスだけでしか食べれないと思ったのにすごいよね」




「いいよなー料理作れる男の人って
海さんモテるでしょ?」



「わかんないけど彼女はいないと思うよ?」




料理出来る男はモテる説




俺はモテたいわけじゃないけど素直にかっこいいと思う






「りっちゃん、自転車乗って
私今寒いから温まりたい」



「また来那の後ろ乗るの?」



「またって前もやったてたんだ
でもいいから乗って」




来那の後ろに乗り



来那はまたゆっくりと自転車を漕ぐ



「絶対転ぶなよ?」



「大丈夫!」




危なっかしいな




まあこの間大丈夫だったしいいかな




ゆらゆらと漕ぐこと10分





バイト先の目の前まで行くと




店長がちょうど外を掃除していた




「あれー??誰かと思ったらお二人さんかー
逆じゃない??」




さすがの店長もこの光景に口を突っ込む






「来那が乗せたいって言ったんですよ」



俺が軽く説明すると



「まあいいや、今日はよろしくね」


少し呆れた表情の店長




本当に俺じゃねーぞ?