君の後ろに寄り添う


小学生の頃、小柄な私はいつも他愛もないことでバカにされた。人前で泣くのはきらいで意地っ張りな私。


私の名前は柚木香穂
母に育てられたが小3の頃に事故で亡くした。
それから親戚に引き取られたが折り合いが合わず高校生になるのを機に前住んでいた家に1人で住むことになった。


入学式、人見知りな私に茶髪の女の子が
話しかけて来た。

「香穂?あ!やっぱり香穂だ!
覚えてる?小学校いっしょだった南!」

そういえばこんな子いたっけ。

「覚えてるよ。久しぶり!」

南は親戚の方に越す前の小学校の友達。
明るい子だった覚えがある。

「こっち戻って来たんだね〜。
可愛くなっててびっくりだよ!よろしく!」

「うん!」

仲良い友達できるかな、

クラスはー、、、1年B組か
あ、南もいる。少し安心だ。

「あれ、柚木じゃん」

振り向くと見覚えのある奴。

「わかってるか?神田だよ。」

わかってるよ。あんなにバカにされて
忘れるわけない。

「わかるよ〜。よろしくね!」
「お、おう!」

神田の顔が少しあかくなってる。
照れてる?いや、そんなことないよね。
あんなにからかったくせに。
まあでも確かに私は、中学の頃は
よく告白もされたっけ。
でも自分では何がいいのかもわからなくて
男子は正直、信用できなくて断ったな。

先生が教室に来た。
「みんなー!席について下さい!
私はこのクラスを担当する''佐久間歩''です!
これから1年間よろしくお願いします!」

私の席は1番後ろ。南は斜め前。
神田は1番前か、ほっとする。

先生「それでは!順番に自己紹介!
お願いします♡」

淡々と進んでく。私の番が回ってくる。

私「柚木香穂です。みんなと楽しく1年過ごし
たいとおもってます、よろしくお願い
します。 」

拍手で終わった。うまくできたかな。
男子たちが少し騒いでる。なにか話してるみたい。あまりいい気持ちじゃないな。

休み時間、、、

南「香穂〜!一緒のクラスとかうれしい!
仲良くしようね!てか本当に可愛く
なりすぎ!男子が騒いでたね!」
香穂「そんなことないよっ、、、」

よかった1人で過ごさなくてよさそうだ。

なんかさっきから視線感じるな、
神田たちの男子軍団だ。
あ、こっちにくる。

神田「なー、柚木?お前携帯とかもってん
のか?」

私「なんで?」

神田「いや、同中の奴らがお前と連絡先
交換したいらしい。」

私のなにがいいんだか。
気もないしやめておこう。

私「ごめんもってないんだ。」
本当はもってるけどね。

神田「そっか。買ったら言えよな!」
そう言って戻ってった。

南「なに〜神田のやつ。あの頃は香穂の
ことからかいまくってたくせにっ。」

「香穂!変なのにひっかかっちゃ
だめだよ!」

* * * * * * * * * * *

やっと1日がおわった。
家にかえったらバイトの準備しなきゃっ。
家に入ろうとすると、後ろから声が聞こえて来た。

「ゆず?」

私は自分の目をうたかった。

私 「と、、びた、、くん。」

飛田「やっぱり!柚だ!戻って来たのか!」

彼の名前は''飛田 空"
小学生の頃、唯一喋れた男の子。
彼は誰にでも優しくて、人気ものだった。

飛田「久しぶりだな!変わってないな(笑)」

変わってない。そう。何も変わってない。
飛田くんはやっぱり優しい。
みんな変わったというけれどわかってない。
みんながちゃんと私を見てなかっただけ。

私「飛田も。変わってない(笑)」
すごい。友達にあってこんな嬉しいなんて。

飛田「おれ近くのマンションに越したんだ。
対して変わんないけどな! 」

またな。といって帰った飛田くん。
なんか気分がよくなった。