溢れる涙もそのままに、自信たっぷりに放った言葉。


それを聞いた先生は一瞬目を見開くと、


すぐに破顔した。




啄ばむようなキスをされる。


真っ赤になる私の表情を確認してから微笑むと、


今度は溺れるような深いキスに変わる。




「…お前、明日荷物まとめてこい」


「……え？」



瞬きを繰り返す私に、先生は意地悪く口角を上げる。


あ。この顔懐かしいな。


この顔は。



「ずっと“ここ”に、いるんだろ？」



先生が、不良教師になる時の顔だ。










SS1＊夢じゃない〜fin〜