……困ったな。 恋愛なんて、まだ当分できそうにないのに。 ましてや生徒なんて、どうしてもあの人を思い出す。 あんなにも、大切にしたいと思った人はいなかった。 あんなにも、側で守ってあげたいと思った人はいなかった。 あんなにも、笑っていて欲しいと思う人はいなかった。 瞼を閉じれば、あの頃の想いが鮮明に蘇ってくる。 抑えようのない情動も。 感じたことのない劣情も。 あの人の手を離した時の……痛みも。 俺の胸の中にはまだ────。 * * *