「今更オレに構って何の価値があんだか」
それはオレ自身に分かるような簡単な問題ではない…────────
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「ちょっと魁人~!
最近付き合い悪くない~?」
「何言ってんのよ。
魁人はアンタみたいな品の無い女は相手にしないのよ!」
「そう言うアンタも品の無い制服の着方してるじゃん」
「はぁ?
部外者は黙っててよ」
「部外者じゃないわよ!
魁人の本命はあたしなんだから」
「なにそれ。
笑わせないでよ」
「…………あの魁人さん。
これは一体何事なわけ……?」
「さぁ?
見に覚えがねーわ」
静かながらにも強烈な怒気をはらんだ生徒会長、翠の声が突き刺さる。
しかしオレはどこ吹く風。
しれーっと答えてやる。
「魁人の女ったらしが原因でしょーが!
どう考えても!!」
胸ぐらを両手で掴まれ、前後に遠慮なしに揺すられて酔いそうになった。
オレにはそんな覚えが無いが。
どうやら女ったらしが原因で放課後に他校の女子生徒が次々に学校へ押し掛けてくる事態に。
困り果てた翠が熱心に説教をしてくる。
「とにかくここに他校の子がいてもらっても困るから一旦帰して。
話はそれからじっくりすればいいから」



