彼のことを、今まで知らなかったわけじゃない。 部活に入っていなくて、友達もいない。 誰ともつるまない、彼。 そこに引け目を感じているわけでも無く、友達なんて必要ないと感じているようだった。 それが変だと思ったわけじゃない。 それを当たり前のようにしている彼が少しだけ、ほんの少しだけ、気になっていた。