いつものようにチャイムがなり、クラスのみんなが教室に帰ってきて騒がしく席に着く。
休み時間モードが抜けない騒がしい授業の始まりだ。
昼休みの後の授業は大体そう。騒がしい。

けれど私は騒がしくても、みんながまともに授業を受けてなくてもこの時間は好きだった。水曜日の5限目、保健体育。
春川先生の授業。

春川先生とは、うちの学校の体育の先生で、体育と保健体育の担当をしている。
冷たい雰囲気で、女性とのことを適当にあしらったり、雑な対応をよくしている場面をよく見かける。ルックスは整っており、そのせいか、綺麗な顔立ちとその冷たい雰囲気はとてもマッチしていた。

そんな春川先生と私には秘密があった。
私と春川先生の秘密は一年前から始まった。

憂鬱な一日は春川先生の授業で少し憂鬱ではなくなっていた。