なんでこんなに好きなんだろう、『海賊』のこと。

ラーマンとファイサルには私のことはモーシンの恋人だと認識された。でも、イスラムの国においては何人かと結婚することは可能なんだよね。私は一体何番目になるのだろう？彼は、「今すぐに離婚したい。」とは言っているので、離婚して私と一緒になりたいと思っているのだろうか？今の所不明瞭だ。

彼は、とてもマイペースなんだ。自分の世界観を守っていて、絶対にそれを譲らない。何が何でも押し通す。その世界観で人を巻き込むのもうまい。痛みを恐れもしない。そして物事を形にしてしまう。ある意味憧れている。この人から離れたくない。

このフィジーの旅は『海賊一味』にとっての『休日』だ。フィジーのホテルの中で、ゆっくりとしている『海賊一味』は、モーシンと私が泊まる部屋に入り、空港で買いあさったワインを一緒に飲み始めた。

ラーマンとファイサルは私にイスラム教について話し始めた。「カスミは神を信じている？」

「神はまあいいとして、私は信じることをしない。結果が全てだと思う。」私は言った。

彼らに取ってこの話題はとてもホットな話題だったらしく、結構話は長引いた。要はこの会話をすることで、モーシンと私とくっつけたかった様だ。イスラム教にとって、結婚相手はイスラムでないといけない様だから。だが、私は私の価値観を貫いた。モーシンはその話題の中に入ることはせず、ただ後ろから会話を聞いていた。

「心配しないで。君と結婚するよ、僕は。」モーシンは皆の前で言い、私にキスをした。