【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…



「俺はずっと、内海梨奈のことが好きでした」

「……え?」





今、何が起こってるの…?

卒業式が終わって、そのまま保健室に来て…


それでセンセーに告白されてる…?





「内海は覚えてないだろうけどさ。俺がここに赴任する前に会ってるんだよ」





はは、なんて爽やかに笑う。


全然…覚えてないんですけど…





「2年前。電車に乗ってる時、急に気分が悪くなって降りようと思った。でも満員でなかなか降りれなかったんだ。

その時、声をかけてくれた女子高生が俺の腕を引っ張って外に連れ出してくれた。それに加えてハンカチと水を買ってきてくれた。

名前も聞けないまま、その子は次に来た電車に乗っちゃって…

制服からここの生徒だってことはわかってたんだけど、まさかその1年後に赴任するとは思わなかったな」