【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…



「誰か1人でも、センセの良いところも悪いところも全部。センセ自身を見てくれる人がいたらいいんじゃないんですか」

「…その1人になってくれるの?」





子犬のような目で見つめられる。


そんなに、好きだったんですね…

それでも負けたくない。


私だって、センセが好きだもん。





「だから、センセが私に許可してくれるなら」

「アニキと比べない?実際に会ってやっぱりお前はダメだなって言わない?」





それにお兄さんに対する劣等感が酷い。





「センセのダメなところはもう知ってるつもりですよ」





こんなに弱い人だなんて初めて知って、よりセンセのこともっと知りたいって思ったよ。





「高山何か変わったな。…強くなった。
俺はなんて弱いんだろうと思うよ」

「ダメなところその1ですね。
ネガティブになって自分を卑下する。

恋は人を強くする力を持ってるんですよ。
それでセンセは変わりたいんですか?変わりたくないんですか」

「変われるなら変わりたいよ」





それならもう一つしかない。





「…じゃあお兄さんのところに行きましょ」

「えっ?」

「今まで思ってたこと、胸に隠してたこと全部言いましょ。
私もついて行ってあげますから」





きっと、お兄さんとわかり合えたらセンセは変われる。