【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…



そんな時、知り合いからホストの話を聞いた。


むしゃくしゃした気持ちを晴らしたくて始めることにした。





「初めまして~
ユーヤです✩」





客である女性は俺を見て頬を染め、俺との話を楽しそうにしてくれる。


…アニキにはできないこと。


その思いが少しだけ俺の心を軽くした。














それでも日が経つにつれて、慣れてくるにつれて客が見ている俺はホストの"ユーヤ"であることに気付く。


"中西 祐也"ではない。


結局のところ、誰も俺自身を見てくれていないことに気付いてホストをやめることを決意した。



あの日、高山 京香にたまたま会った日。


それは最後の出勤の日だった。



だから彼女が誰かに言ってバレようがもう過去のこと。


なのに、どうしてか彼女の提案に乗ってしまった。



ホストをやめたことに代わる刺激を求めたのか。



正直、自分でもわからない。



ただ、面白そうだろうなと思ったんだ。