「最近、あの子見ないな?」
「そっ…そうですね…」
もうすっかり会わなくなりました。
だからこのフリを終わらせても大丈夫です。
そんなの言えない。
だから隠してきたのに、それがセンセに知られちゃったら反対に嫌われちゃう…?
「俺はまだ諦めてるとは思ってないけどな…
とりあえず今日も一緒に帰るか」
これが、センセと帰れる最後になるかもしれない。
「…はい!」
「ごめん待たせたな。
よし、帰ろう」
少しだけ歩く足をゆっくりにしたりして。
少しでも長くセンセと一緒にいたいから。
なのに、そんな私の願いを断ち切ることになってしまった。

