【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…



「最近、あの子見ないな?」

「そっ…そうですね…」





もうすっかり会わなくなりました。

だからこのフリを終わらせても大丈夫です。



そんなの言えない。

だから隠してきたのに、それがセンセに知られちゃったら反対に嫌われちゃう…?





「俺はまだ諦めてるとは思ってないけどな…
とりあえず今日も一緒に帰るか」





これが、センセと帰れる最後になるかもしれない。





「…はい!」



「ごめん待たせたな。
よし、帰ろう」





少しだけ歩く足をゆっくりにしたりして。


少しでも長くセンセと一緒にいたいから。


なのに、そんな私の願いを断ち切ることになってしまった。