…キミって好きな人とかいるん?



誰もいない教室の窓から外で忙しそうに走り回っているサッカー部をみていたボクの耳に確かに届いた声。



「……え?」



振り返ってみるとそこにはクラスの人気者でいつも、輪の中心にいる七瀬 珠侑(ななせ みう)が立っていた。




「あんまり真剣に外みてるから、好きな人でもいるのかなって。」




「…あ、いや……べつに…。」




「あ、そーなんだ。」



ボクとキミの初めての会話はこんな感じで呆気なく終わってしまった。