「ひ、陽菜は…!陽菜はいま、蒼真じゃない人を好きなの。」



「え?」



「陽菜だって、ちっちゃい頃、蒼真のこと大好きだったよ!でも…でも、今は、もっともっと大好きな人ができたの。」




陽菜は焦りながらも頑張って喋った。

蒼真はそれを聞いて全く喋らなくなった。


蒼真…ごめん。でも、わかって欲しい。翔くんのこと、ホントに大好きなの。




「………。」



「蒼真…。陽菜は本当に翔くんが好きなの。」



「陽菜。」



蒼真が陽菜の方を向いた。

すごく悲しい目。




「……ごめん。帰ろうか。」







蒼真はそう言って陽菜の腕を離した。


そして静かに立ち上がり歩いた。


陽菜と蒼真はそこから家に着くまで一言も喋らなかった。