復活した衣装をあらゆる角度から眺めていた私はもう一つの“サプライズ”に気付いた。
「これ……刺繍してある!
RINって……あたしの名前……?」
ドレスの裾に流美な筆記体で“RIN”と刺繍されていた。
「良いよね、凛って名前。
響きもいいし、好きだなオレ」
「……っ」
直球な褒め言葉に熱が顔に集まってくるのが嫌でも分かった。
初めて緋彗くんから呼ばれた名前……。
もう飽きるほど呼ばれた自分の名前が今では特別ドキドキするものになっていた。
こんな感覚……今までになくて……。
「ほ、本当に何て言うか……。
天然色男……!」
「あははっ。
でたよー、凍堂さんの天然シリーズっ」
「だって事実だし……?
あ、そろそろセリフ合わせ……って!
もうこんな時間!?」
ふと時計を見てビックリした。
時計の針は6時を指そうとしていたから。
「凍堂さん、セリフ覚え頑張ってるから。
寝てるとこ見てたら起こせなくて」
「ご、ごめん!
大事な練習なのに……!」
「いいよ。
たまには休まなきゃ体に悪いしね?」
ポンッと肩を叩かれる。
「今日はもう暗いし危ないから駅まで送るよ」
「でも緋彗くん……」
「オレは高校から家近いから平気っ」
その緋彗くんの気持ちを無下にすることも出来ず私は有り難く受け取ることにした。
「うう……寒くなってきたねー」
「もう11月だもんね。
オレは暑いより寒い方がまだ好きだから嬉しいけど」



