「ねぇ、いいでしょー?」
「えっと……」
「凍堂さんも渋々って感じだったんでしょー?」
「……ま、まぁそれは……」
「それにこの高校ユルいし代わっても何も言われないってー」
「……は、ぁ……」
女子三人衆に途中で捕まり、執拗に迫られています……。
しかも他クラスの。
用件はどうやら劇のヒロインを代われだとか何とからしく……。
その上この三人衆は女子カースト制度の上位者。
クラスが違っても顔と名前は知っていた。
だから別に代わった所で他の女子軍も彼女らの権力には逆らえない。
……これは……少女漫画のそのものじゃ……?
だいたいヒロインはここで自らの意思を通して対立。
それはもはや選択ミスとも言えるべき。
じゃあ私は……?
ここで譲る……?
譲れば波風立てずに終えられる。
「で、どーなの?」
「……あたしは、その……」
それは理想の高校生活ではないか。
でも……
あたしはそれで……いいのか。
緋彗くんを裏切ることになる。
ここまでして覚えたセリフも全て無駄になる。
「……やっぱり代われない。
ごめんね」
「……なんで?」
「緋彗くんに嫌われるとか思ってんの?」
「……いや……、」
「言っとくけど緋彗くんはアンタのことなんて別に何とも思ってないからね?」
「……うん。
それは分かってるけど決まったからには最後までやりたいんだ」
「……はぁ?
なにそれ、サムー」
「もういいや、行こ。
相手にしてらんないー」
アイメイクが丁寧に施された瞳に睨まれつつ三人衆は撤退していく。



