「おら起きろやてめぇ!顔見せろ!」



ダテが倒れるストーカーを引きずり起こそうとする。





「ハァハァホントに…現れたね…先生…」


アカイはまだ息が整わない。



「ダテ!ちょっとアカイについてて!」



転倒した際に擦り傷ができたアカイの膝にティッシュを抑えていたカドクラがダテに声をかける。





「あとは俺に任せて。」




カドクラはうずくまるストーカーの元に向かう。





(現役柔道部員の飛び膝蹴りをまともに喰らえば無理もない。)







カドクラは男の顔を確認する。



そこには想像していた

というより

エンドーの推測通りの人間がいた。










「アカイの担任のカドクラです。」



「・・・」



「俺とよく一緒に来てた先生いますよね?
その人が、あなたがアカイに送った写真についていろいろ調べてくれました。」



「・・・」



「そこからあの写真が、
学校近くのマグドナルドの裏口から撮られたことも突き止めてくれました。」




カドクラがそこまで言うと、

うずくまっていた大学生ぐらいの茶髪の若者がようやく口を開いた。






「何で・・お前がいる・・」



「やっぱり下校中ずっと尾けてたのか。

ダテが怪我したっていう電話はお前をおびきだす為のフェイク。

ダテと末丸公園に先回りしてた。

もしストーカーが現れたらここまで逃げてくるようあらかじめアカイに指示しておいてな。」




だんだんとカドクラの口調が激しくなる。





「謀ったのか。・・・ちくしょう・・」


そう呟いた若者の胸ぐらを掴む。



「俺の大事な生徒にこんな悪質なことしやがって。
なんでこんなことするんだ!」



「・・・」



「黙ってちゃ分かんないだろ。」



「お前なんかには分からない。僕の気持ちは・・」


カドクラは掴んでいた手を離す。



「あとは警察でほざいてろ。もう二度とアカイの前に現れるな。」