第11章【アカイの決意】









「で、通学の時にお前がアカイに付き添うって?」


「はい。行きはオオシマかダテが。
帰りは僕が。」


「で、何で俺にその話を?」



「え~っと…

どうしても僕が都合悪い日とかは・・

エンドー先生にお願いしようかなぁって。」



「で、何でマグドで?」





業後、学校の近くのマグドにカドクラとエンドーが来ていた。





「エビバーガーのセット。僕のおごりです!」


カドクラはエンドーに協力を求める為、マグドで釣る作戦に出ていた。





「お前なぁ。オオシマの時といい、先輩を都合よく使ってんじゃねぇぞ。」


「そこを何とか!!」



「モズも今度おごれよ。」


「ありがとうございます。」






これで体制は整った。


『アカイは必ず守る』

カドクラはそう誓っていた。









「で、今アカイはどうしてるの?」


「部活やってるんであと1時間ぐらいですね。」


「てか、アカイの御守りはいいけどストーカーはどうやって見つけるつもりだよ。」


「何にも考えてません。」





ストーカーの心当たりについてアカイに聞いたが、見当もつかないとのことだった。





「ストーカーが学校に電話してきた時に、ダテの名前を知ってたってのが気になるんですよね。」








ガタッ

ふいにエンドーが立ち上がった。


そのままポテトを持ってカウンターに向かう。





「ちょっと、ポテト塩が足んないよ。」


エンドーはどうやらポテトの塩加減が気に入らなかったようだ。




「申し訳ございません。少々お待ちください。」


店員はポテトを受け取りエンドーが戻ってきた。




「エンドー先生、こだわりますね。」


カドクラは少し呆れながら話を続ける。







「でもやっぱりストーカーを見つけないと根本的に解決しませんからね。」


「アカイに送られたっていう写真はあるの?」


「はい。とりあえず僕が預かってます。」



カドクラは写真の入った封筒をエンドーに渡す。


アカイの姿が写った何百枚という写真がある。





「これはえぐいな。」


エンドーは写真をパラパラと眺める。









「お客様お待たせしました。ポテトになります。」


エンドーが突き返したポテトを店員が持ってくる。


「ちゃんと塩ふった?」


「はい。」


先日も見かけた大学生ぐらいの茶髪の若者が丁寧に謝罪する。



「あ、今日もお疲れ様です。」


カドクラは若者に挨拶をしておく。


「はいありがとうございます。
でももうすぐ上がります。」







「ちょ、ちょっとこれ塩辛すぎぜよ!」


「めんどくさいなあんた!」



カドクラは思わずエンドーにため口をきいた。