エンドーは自動販売機の前に来た。



堂々秀高校には2台の自動販売機がある。


何の変哲もない見た目だったが、『故障中』と書かれた貼り紙が貼ってある。



ガラガラ


「タケダさん。」


自動販売機の隣には体育教官室がある。


エンドーは中にいる体育教師で生徒指導 タケダを呼んだ。


「どうした?」


「壊れたらしいっすね。」

エンドーは自販機を指さす。




「ああ。さっき生徒から言われて気づいたよ。」


「どうなってたんすか?」


「もうお金入れる以前に、止まってしまってたみたい。」


「2台とも?」


「ああ。暑さに自販機もやられたんだろ。」



「それに比べてタケダさんは体育の授業やりっ放しでよく熱中症にならないっすね。」



「私はいいがやっぱり夏の授業は生徒のほうが心配だよ。」